決して恵まれているとは言えない身躯のエネルギーを目一杯ボールに乗せ放たれた一矢が敵のネットに触れた刹那、彼はいつもそのゴールに貢献した者の許へ走り出す。 スルーパスを出した者、クロスを送り込んだ者。そしてそのゴールを今か今かと待ちわびていた…
「他に楽しみないのかね…」 彼は私に向けてなのか独り言なのかしいて言えばその真ん中くらいの感じで呟いた。 あれはたぶん高校の部活終わりの定食屋。 店の片隅に無造作に置かれた14インチのテレビ。 そこには中年男性が巨人のユニフォームに身を纏い「打て…
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